Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「大好き……」
「え?」
口元だけで呟いた声に一彰が反応し、千紗子を見る。
聞こえると思っていなかった言葉が、彼の耳に届いてしまって、千紗子は慌てて言い訳のようにアレコレと言葉をつなげた。
「え、えっと、…子どものころから魔法とか魔女の出てくる絵本が大好きで、原文でも同じ絵本を読んでるうちに英語も好きになって、それが高じて大学の時にイギリスへ短期留学に行ったの。」
「へぇ、すごいな。じゃあ、いつか一緒にイギリスに行こうな。」
「…うん。」
テーブルの上で揺れるキャンドルの明かりが、ゆらゆらと柔らかく、二人の微笑みを照らしだしていた。
「おまたせいたしました。メインのローストチキンです。こちらは取り分け式になってますので、仲良くお二人でどうぞ。」
二人の前にあるの皿が空になったのを見計らって、恵実が料理を持ってやってきた。
大皿がテーブルの真ん中に置かれる。
「うわぁ~!」
思わず声を上げてその大きなローストチキンを見つめた。