Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「なんで……」
千紗子の口から出た言葉は、とても中途半端なものだった。
膝の上のスカートをギュッと握る。
雨宮に言われた通り、千紗子は自分の思っていることを口に出すことが得意ではない。
相手が色々と尋ねてくればそれに応えるような形で、自分のことを話すのだけれど、千紗子から積極的にそれを話すことは難しい。
ましてや雨宮は自分の上司だ。
美香のように打ち解けた間柄になると、自分から話をすることが出来るけれど、それだってマシンガンのように話しまくるというほどではなく、どちらかというと控え目な部類に入るだろう。
「なんで、ここに連れて来たかって?それともなんで、ゆうべ俺が千紗子にした、」
「いえっ!!…その、えっと…」
千紗子は、雨宮の続けようとした言葉を遮るかのように慌てて口を開いた。けれど、なんて言葉を繋げたら良いのか分からずに、再び口を閉ざしてしまう。
「ゆうべのこと、どこまで覚えてる?千紗子。」
「どこまで…」
「駅からタクシーに乗って千紗子のマンションまで一緒に行ったことは覚えてる?」
千紗子は首を縦に振る。
「その後USBを取りに行ったこと」
もう一度首を縦に振る。
「じゃあそのあと……」
スカートを握った千紗子の手に、強い力が入る。
雨宮が続きを言う前に、千紗子は首を同じ方向に動かした。
「そうか…それは辛いな。」
低い声がそう呟くのが聞こえて、千紗子の瞼が熱くなる。目に水っぽくなっていくのを感じた千紗子は、首をフルフルと左右に振った。
「じゃあ、………マンションを飛び出した後のことは…」
バリトンの声が、躊躇うように言葉を濁す。
(雨宮さんが知りたいのは、私が彼との夜を覚えてるのかどうか…)
千紗子は、瞳をギュッと閉じて隣に座る雨宮の方へ体を向けると、深々と頭を下げた。
「本当にすみませんでした。」
千紗子の口から出た言葉は、とても中途半端なものだった。
膝の上のスカートをギュッと握る。
雨宮に言われた通り、千紗子は自分の思っていることを口に出すことが得意ではない。
相手が色々と尋ねてくればそれに応えるような形で、自分のことを話すのだけれど、千紗子から積極的にそれを話すことは難しい。
ましてや雨宮は自分の上司だ。
美香のように打ち解けた間柄になると、自分から話をすることが出来るけれど、それだってマシンガンのように話しまくるというほどではなく、どちらかというと控え目な部類に入るだろう。
「なんで、ここに連れて来たかって?それともなんで、ゆうべ俺が千紗子にした、」
「いえっ!!…その、えっと…」
千紗子は、雨宮の続けようとした言葉を遮るかのように慌てて口を開いた。けれど、なんて言葉を繋げたら良いのか分からずに、再び口を閉ざしてしまう。
「ゆうべのこと、どこまで覚えてる?千紗子。」
「どこまで…」
「駅からタクシーに乗って千紗子のマンションまで一緒に行ったことは覚えてる?」
千紗子は首を縦に振る。
「その後USBを取りに行ったこと」
もう一度首を縦に振る。
「じゃあそのあと……」
スカートを握った千紗子の手に、強い力が入る。
雨宮が続きを言う前に、千紗子は首を同じ方向に動かした。
「そうか…それは辛いな。」
低い声がそう呟くのが聞こえて、千紗子の瞼が熱くなる。目に水っぽくなっていくのを感じた千紗子は、首をフルフルと左右に振った。
「じゃあ、………マンションを飛び出した後のことは…」
バリトンの声が、躊躇うように言葉を濁す。
(雨宮さんが知りたいのは、私が彼との夜を覚えてるのかどうか…)
千紗子は、瞳をギュッと閉じて隣に座る雨宮の方へ体を向けると、深々と頭を下げた。
「本当にすみませんでした。」