Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
「どうして謝る?」
千紗子の頭の上で低く呟く声からは戸惑いが伝わってくる。
「千紗子。」
『きちんと訳を話せ』というように名前を呼ばれて、千紗子は下げていた頭をゆっくりと持ち上げた。
「昨夜は、私の個人的なトラブルに雨宮さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ありませんでした。」
仕事の時の口調で謝罪を述べ、今度は先ほどよりも浅く頭を下げた千紗子に、雨宮は苦い顔つきになる。
自分の感情を口に出すのが苦手な千紗子だが、決して口下手なわけではない。
仕事中はむしろ相手が理解しやすいように丁寧かつ細やかに説明するので、同僚たちや利用者からも信頼されている。
「私のことなんか構わずに、雨宮さんだけ帰って頂いて良かったのに、」
「あんな所に、千紗子一人を置いて帰れるわけないだろっ。」
千紗子の言葉を雨宮の声が遮った。
職場でそんなふうに声を荒げる彼を見たことがない千紗子は、驚いて口を噤みそうになったけれど、何とか言葉を続けた。
「でも、ご自宅にまで押しかけることになってしまって、ただの部下なのに、こんなにご迷惑を掛けてしまって…」
「俺は迷惑だなんて少しも思っていない。むしろ千紗子の方が俺と一緒にいたことを後悔しているんじゃないのか?」
「私の方が?」
「ああ。」
千紗子は、細い眉を寄せて雨宮を見つめた。
雨宮は、困惑の表情のまま自分を見上げてくる千紗子の髪を一筋掬い上げて、その先に口づけを落とした。
千紗子の頭の上で低く呟く声からは戸惑いが伝わってくる。
「千紗子。」
『きちんと訳を話せ』というように名前を呼ばれて、千紗子は下げていた頭をゆっくりと持ち上げた。
「昨夜は、私の個人的なトラブルに雨宮さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ありませんでした。」
仕事の時の口調で謝罪を述べ、今度は先ほどよりも浅く頭を下げた千紗子に、雨宮は苦い顔つきになる。
自分の感情を口に出すのが苦手な千紗子だが、決して口下手なわけではない。
仕事中はむしろ相手が理解しやすいように丁寧かつ細やかに説明するので、同僚たちや利用者からも信頼されている。
「私のことなんか構わずに、雨宮さんだけ帰って頂いて良かったのに、」
「あんな所に、千紗子一人を置いて帰れるわけないだろっ。」
千紗子の言葉を雨宮の声が遮った。
職場でそんなふうに声を荒げる彼を見たことがない千紗子は、驚いて口を噤みそうになったけれど、何とか言葉を続けた。
「でも、ご自宅にまで押しかけることになってしまって、ただの部下なのに、こんなにご迷惑を掛けてしまって…」
「俺は迷惑だなんて少しも思っていない。むしろ千紗子の方が俺と一緒にいたことを後悔しているんじゃないのか?」
「私の方が?」
「ああ。」
千紗子は、細い眉を寄せて雨宮を見つめた。
雨宮は、困惑の表情のまま自分を見上げてくる千紗子の髪を一筋掬い上げて、その先に口づけを落とした。