Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

 (やっぱり真面目だな。)

 仕事のことを持ち出して、千紗子の気を引いた雨宮の目論見はしっかりと当たった。

 そんな彼の思惑に嵌められたことなど全然気付かない千紗子を、雨宮は愛おしげに見つめる。
 眉間にしわを寄せて考え込む姿が、可笑しくも可愛らしくて、雨宮は「クスっ」と口の中で笑った。

 「千紗子。とりあえず今は俺の言う通りにして。でないとここで口を塞ぐぞ。」

 にっこり微笑みながら顔を近付けると、千紗子の顔がみるみる赤くなっていく。

 「く、口を塞ぐって、ここ、人が沢山いますっ!」

 「ああ、人目がないところならいいのか。」
 
 納得、とばかりに頷くと、更に顔を赤く染めた千紗子が焦りだすのが分かる。

 「そんなこと、言ってませんっ!!どこでもダメです!」

 「じゃあ、大人しく買い物に付き合うんだな。」

 言うなり千紗子を置いて歩き出すと、後ろから焦ったように着いてくる千紗子が可愛くて、雨宮は背中を震わせて笑いを堪えた。

 
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