Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
自分が言いたいことを言いきった千紗子が、荒い息を整えて顔を上げると、キッチンの入口に立っている雨宮が片手で顔を押さえて体を震わせている。

 (あっ!私ったら、他人の家のことなのに、なんて失礼なことをっ!)
 
 体を震わせている雨宮は、きっと怒りを堪えているのだろうと千紗子は思った。

 「す、すみませんでした。雨宮さんの私生活をとやかく言う権利なんて私にはないのに…」
 
 慌てて謝罪するけれど、目の前の彼はまだ顔を伏せて肩を震わせている。

 「雨宮さん…、本当にごめんな、」

 「くっ、くくっ…あははははははっ!」

 突然雨宮が大きな声で笑い出した。

 「雨宮さん…」

 大きな口を開けてお腹を抱えて爆笑する雨宮を、千紗子はただ茫然と眺める。
 雨宮は苦しそうに時折息継ぎをしながら、しばらくの間本気で笑っていた。

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