俺たちは夜に舞う蝶らしい




そう言っていつの間にとってきたのか分からない救急箱を翼が凛音に渡す。

昔に比べて大人っぽくなってるのはもちろんなんだけど、雰囲気も柔らかくなった凛音。

口調はあんまり変わってないみたいだけど、口調に関しては元々柔らかかったからね。


翼は俺が翼に仕事を教えてた時のような必死な感じではなく、落ち着いてしっかり周りを見れるようになっているみたい。

かなり成長したね。




「そこに座って」




カラン‥‥っ


凛音がそう言って俺が座ったと同時にbarの扉が開かれる。





「蘭ちゃん、今度はいた。」




そこにいたのは、ふわりと笑う澪。




「澪、お前も手当な。」


「はいはい。
でも、蘭ちゃんの後でいいよ。」


「逃げんなよ」


「ちゃんと話さないとだから逃げないよ」




綺麗な笑顔のままの澪。

俺の手当ては凛音が上手いからなのか、全く染みない。

まあ、多少は痛覚鈍ってるだろうからそのせいってのもあるんだろうけど。

俺の手当てが終わったらすぐに澪の手当てをする凛音。

まあ、澪は俺より怪我が少なかったし上手くかわしてたみたいだから、すぐに手当てが終わったけどね。



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