24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~

 黒髪ストレートが好みじゃない? モノトーンを好む、洋服のセンス? 派手で冷たそうな顔立ち?

 考えれば考えるほど、由紀と比べてしまう。
 栗色の髪や柔らかい色合いの服、それらが映える優しそうな顔立ち、苺が乗ったケーキにはしゃぐ女の子らしさ。
 それはきっと由紀だから似合うのであって、自分には似合わないと思う。

 もし、そんなことが気に入らなくて裏切られたのだとしたら、こんなに許せない恋はない。それなら、最初から交際など望まないで欲しかった。


(会えば好きと口にする、私の想いが重たかったの?)

 手のひらの内側で泣き崩れる伊鈴の手首から肘へと、涙が筋を作って伝い流れる。
 結婚を視野に入れるほど本気で好きになった恋が、過去になっていくようだ。

(こんなことなら、もっと早く別れたかった。最低、最低! こんな終わり方はないよ……)

 そのうちに、伊鈴は肩を震わせ、唇をかみしめて声を抑えながら、鼻を啜って呼吸を乱した。

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