24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
「ごめんなさい、ちょっと考え事をしてしまって」
「それって、元彼のこと? それとも、俺のこと?」
「えっと……その……」
言葉に詰まる。
昨夜のことを思い出してドキドキしているなんて、彼は思わないだろう。
それに、出会ったばかりの自分とこうして過ごしてくれている立花の本音に、触れてはいけないような気もする。
そして、それは同時に、伊鈴の願望なのではないかと気づいてしまったのだ。
(私、立花さんに惹かれてるの……? まさか、失恋したばかりなのにそんなこと……)
少なくとも、立花の魅力に触れてドキドキさせられたり、幸せな気分になれたことが、形のない事実として心に積もっている。
だからと言って、伊鈴の揺れる心中を告白されたところで、余計に彼を困らせるだけだろう。
「俺はね、戻らない幸せを追うのは好きじゃない。だから、もう次の幸せを探したって、誰も文句は言わないと思うんだけど、十河さんはどう思う?」
「そうかもしれないですね……」
伊鈴は、立花に曖昧な返事をしつつ、その言葉の意味と残りのショコララテの甘さで咥内を満たした。