24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
――〝俺が今、話しているのは、とても素敵な女性だと思ってたんだけどな……違う?〟
不意に思い出された立花の言葉に、伊鈴は息をのむ。
そして、ソファにゆったり座ってコーヒーを楽しんでいる目の前の彼を見つめた。
「どうしたの?」
「い、いえっ、なんでもないです」
(立花さんは、どういう気持ちであんなことを言ってくれたんだろう……?)
だけど、もし、彼に恋人がいなかったら?
彼が本当に望んで、今この時間をともにしているのだとしたら?
そんな疑問を自分に投げかけては、答えに困って打ち消した。
失恋したばかりの女になんて、惹かれる要素などひとつもないはずなのだから。
「百面相……」
「えっ!?」
「表情をコロコロ変えて、なにを考えてたの?」
ふふっと微笑んで、立花が見つめてくる。
そのまなざしに、口元の小さなほくろに、カップを持つ大きな手に……昨日、どれだけ甘やかされたのかと思い返すほど、伊鈴の頬は火照っていく一方だ。