略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「まじかよ……」
何も答えない美郷に、匠海は大きく溜め息を吐いて頭を抱えてしまった。
「俺は今まで、美郷ちゃんが会ったこともない相手に遠慮してたってことか?
忙しいときもあるのは仕方ないとは思ってたよ。俺だってそうだし。
それでも、休みの日にはふたりで出かけて、誕生日もクリスマスもきっと一緒に過ごしているんだろうなって、俺めちゃくちゃ嫉妬して、でも我慢して……」
低く呟いていたかと思うと、匠海は突然小さく笑いを零した。
「わかった。もう遠慮はしない」
次に顔を上げた匠海は、いつか見た何かを取り払ったような強い瞳の色をしていた。
「そんな奴と、美郷を結婚させたりしない。
美郷の運命の相手は、そいつじゃない」
強い決意のこもった言葉に、胸が大きく飛び跳ねる。
いつのまにか近くなっていた距離に、防衛本能が身体を少しあとずらせる。
座ったままでは咄嗟に逃げられず、手に持っていた皿が傾いた。
それを引き取る匠海は、もう片方の手で美郷の腕を掴んだ。