略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
しばらくして着いたのは、ガラス張りの外壁が特徴的な大きな建物の半地下になった駐車場。
段々に造られた屋上と外周に豊富な緑を抱えた、都会の中にあるオアシスのような建物に、ここはどこなのだろうと首をかしげた。
車を停めた匠海は、一緒に着いて来るように言って、美郷の手を引きエレベーターで上階まで昇る。
エントランスにも観葉植物があり、木目調の壁のエレベーターにも温かみを感じる場所だった。
「あの、匠海さんここは……」
「ん、俺の家」
「えっ!?」
12階で扉を開けたエレベータ前のフロアに、驚いた美郷の声が響いた。
匠海が連れて帰ると言ったのは、美郷の自宅ではなく匠海の家の方だったらしい。
「あ、あの、匠海さんはまだお仕事中だったのでは!?」
「ああ、忘れ物取りに来たんだ。これから顧客とのアポイントあるから、またすぐに出ないといけないけど」
「それなら先に私の家に行っても……っ」
驚いて顔を上げる美郷に目配せをした匠海は、澄ました顔でフロアの一角のドアに着くなりカードキーでロックを解除した。