略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
匠海の家だと言われて、気が動転する。
まさか、婚約中の身で異性の家に上がり込むなどという不貞行為が許されるはずがない。
「匠海さんっ、私歩いて帰れますんで!」
「あんまり大きな声出すなよ」
踵を返そうとした美郷を玄関へと引き込んだ匠海は、自分が出口の盾になりドアを後ろ手に閉める。
オートロックが重くがちゃりと施錠をすると、匠海は青くなる美郷を腕の中に閉じ込めた。
「美郷」
「匠海さん……、苦し……っ」
今までよりもずっと強い力で抱きしめられる。
荒ぶる心臓に、息が苦しい。
逃れようともがく美郷の耳に匠海が口唇を触れる。
くすぐったくも本能が感じる性的な感触にびくっと肩を震わせると、匠海の口唇は耳裏を通って美郷の首筋に吸い付いた。
「……っん……!」
ぞくぞくとした感覚に耐えようとすると、喉の奥から自分でもびっくりするほどの甘ったるい声が漏れた。
ちゅっと音を立てて離れた匠海は美郷を覗き込み、かすかに濡れた口唇で美郷の口を塞いだ。