略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~

 どきどきと緊張が最高潮に達したところで、開錠の音と同時に目の前の扉が開いた。

 すると、ふわりと美郷の脇を過っていったのは、かすかなブーケの香り。

 さっきも感じた匂いの元を探る間もなく、現れた匠海の姿に心臓が大きく音を鳴らした。

 胸元がすっきりしたVネックのカットソーに、ライトグレーのカーディガンを重ねたラフなスタイル。

 いつものスーツ姿とは全然違い、細身のブラックジーンズが彼の足の長さを強調していた。


「よかった、ちゃんと来れた」

「大丈夫ですよ、このくらいっ。初めてのおつかいじゃないんですか――――」


 子ども扱いする匠海に膨れて言う言葉を、彼のあたたかな腕の中で封じられる。


「こんな可愛い子が街中歩いてたら、どこかの変な男に声かけられたりするんじゃないかって、気が気じゃなかったよ」


 大きな掌が頭を優しくなでてくれる。

 押し寄せる絶大な安心感に、瞼が重くなる。


「そんな……私なんか目に留める人なんていませんよ」

「俺なら目が合ったらすぐに声掛けるけど」


 腕の中を覗き込んでくる匠海は、前触れもなく最初から熱いキスをしてきた。
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