略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「私が一番、自分のことばっかりしか考えてなかったですね……」
美郷の自尊心がどうとかいう問題ではなかった。
何もせずにぼうっと【婚約】という言葉に乗っかっていた自分は、親に左右されるただの人形と同じだ。
美郷の知らないところでは、自分達の気持ちをどう守ろうかと必死に戦っていた人達がいたのに。
本当に自分は馬鹿だった。
今になってようやく、そのことに気づいた。
自分はちゃんと自分の意思と感情を持っているのだと。
「私、好きです。匠海さんのこと」
これまで何年も複雑な思いを抱えてきた琥珀の瞳に、自分の気持ちを真っ直ぐにぶつけた。
「匠海さんが好きです。好き、好き――――」
これまでの分を埋めるように、何度も気持ちを口にする。
感情のままに次々と溢れてくる気持ちを必死に伝えると、匠海は見張った瞳を震わせた。