略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「まあデートは俺の願望だけど。ご飯くらい、社会人の付き合いとして自然なことだよ」
「で、でも……」
「けど、美郷ちゃんがだめだと思うんだったら、あそこの自販機でもいい? あったかいコーヒーでも奢らせて」
匠海が指さすのは、エントランス奥の観葉植物が見える場所。
一人掛けのソファが何脚も置かれ、壁際に自販機が並んだ誰もが利用できる休憩スペースだ。
コーヒーを奢るだけでいいなんて、匠海は本当にただ残業のお詫びがしたいと言ってくれているだけなのだ。
“デート”という言葉ぐらいであたふたして、美郷は自分の経験値の低さを大いに恥じる。
過剰に拒否反応を見せたのは、婚約者がいる身でもあるからだ。
他の男性と食事に行くこと自体、婚約者に対する裏切り行為なのではないかと思う。
けれど、仕事上の取引相手である匠海の厚意を無下にすることもはばかられた。
個室で密会するわけではないのだから、コーヒーくらいご馳走になっても、これは裏切りの類には当たらないのだろうと割り切ることにした。
「それなら……ありがたく、ご馳走になります」
「うん、OK」
一度拒否した手前、承諾するのには若干の気恥ずかしさがあったけれど、匠海はそんなこと気にする様子もなく、嬉しそうに美郷を先導した。
「で、でも……」
「けど、美郷ちゃんがだめだと思うんだったら、あそこの自販機でもいい? あったかいコーヒーでも奢らせて」
匠海が指さすのは、エントランス奥の観葉植物が見える場所。
一人掛けのソファが何脚も置かれ、壁際に自販機が並んだ誰もが利用できる休憩スペースだ。
コーヒーを奢るだけでいいなんて、匠海は本当にただ残業のお詫びがしたいと言ってくれているだけなのだ。
“デート”という言葉ぐらいであたふたして、美郷は自分の経験値の低さを大いに恥じる。
過剰に拒否反応を見せたのは、婚約者がいる身でもあるからだ。
他の男性と食事に行くこと自体、婚約者に対する裏切り行為なのではないかと思う。
けれど、仕事上の取引相手である匠海の厚意を無下にすることもはばかられた。
個室で密会するわけではないのだから、コーヒーくらいご馳走になっても、これは裏切りの類には当たらないのだろうと割り切ることにした。
「それなら……ありがたく、ご馳走になります」
「うん、OK」
一度拒否した手前、承諾するのには若干の気恥ずかしさがあったけれど、匠海はそんなこと気にする様子もなく、嬉しそうに美郷を先導した。