略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
なんて傲慢な男だろう。
匠海の従兄と言えど、性格もまったく違う。
自分がどうして、こんなふうに自分をあしらう男と結婚しようとしていたのかわからない。
会えずとも、信じてその日を待っていたことも、匠海からの気持ちも拒んできたことも、全部は陽翔のためだったのに。
「私……」
自尊心が傷つけられた。
馬鹿みたいだと思った。
何を根拠に、お見合い結婚が幸せになれるものだと信じていたのだろう。
匠海が言っていた通り、美郷の両親は運命の相手だったからだ。
それが自分にも当てはまると信じていた自分が情けなさすぎる。
「でも、よかったじゃないか。匠海に惚れてるんだろ? だったら匠海と愛を交わしていればいい」
「待てよ。結婚するんじゃないのか美郷と」
「ああ、もちろんそうだが?」
「お前……、自分の言ってること矛盾してるってわかってるのか?」
陽翔は胸倉を掴まれた腕を握り返すと、怪訝に眉をひそめさっきまでの力を緩めた匠海を、あっさりと引きはがした。