略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
 小学部の頃から私立の女子校に通っていた美郷には、男性との接し方についてはとんと疎かった。

 恋愛事なんてもってのほかだ。

 一番最初匠海に告白されたときも、激しく戸惑い動揺しながらお断りの言葉を機械的に告げるのがやっとだった。

 そのまま諦めてくれるかと思ったのに、彼の行動は美郷の想像の範疇を超えてきた。

 諦めるどころか、それ以降ますます美郷へのアプローチが激化したのだ。

 可愛いだの綺麗だの。

 業務の妨げにはならないよう、パーティションの陰でお盆を持った美郷を引き止めては、爽やかな笑顔で口説いてきた。

 あまりにも諦めの悪い匠海に、美郷は付き合うことができない理由をはっきりと伝えた。

 あえて教えるような間柄でもなかったけれど、隠す必要はなかったし、それで諦めてくれればと話したのに。


 ――――『申し訳ありません。私、実はすでに婚約している方がいるんです』
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