略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「じゃあ【U&Kの結城部長】として。
 大切な取引先のご令嬢が、お家の方に叱られたりしないかどうかの確認だけしたいから、今夜この後、連絡させてくれないか。もし何か君が責められるようなことがあれば、俺が証人として間に入るから」

「そんな、大げさです。子どもじゃないんですから」

「大げさかもしれなくても、そのくらいの心配はさせてほしい。それに、子どもだなんて思ってないさ。大切な女性なんだから、心配するのは当然だよ」


 微笑みを携えたまま美郷を見つめる瞳に、どうしても胸は逸る。

 こうやって男性に過保護に扱われるのは、女性として普通のことなのだろうか。


「ありがとうございます、心配してくださって。
 あの、番号くらいなら……で、でも、下心とかはなしでっ。そういうのは本当に、すみません……」


 尻すぼみに呟きながら、現状報告くらいなら大丈夫かもしれないと、美郷は膝の上のバッグからスマホを取り出した。


「健気だなぁ、本当に。そういうところ可愛いよ、凄く」


 目を細める匠海の噛みしめるような言葉に、暗がりでも赤く染まる頬がバレるのではないかと顔は見せないようにうつむいた。


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