【短】あなたが優しく笑うから、心が激しく波打った。


 このままクラスで上手くやっていけるんだろうか。一部は受け入れてくれるだろう。

 でも、人間って全て同じとはいかない。嫌う人だっている。
 こんなの虫が良すぎる気がする。

 考え始めたら、海の底に沈んでいくような感覚に襲われる。

 ずっと人を信用出来なかった。話すのが苦手。
 今友達付き合いをしても、すぐに駄目になるかもしれない。

 不安。ものすごく不安で、私はより外の音に集中する。

 開け放たれた窓の向こう、あるはずのその海を思う。今日は、波が高いのかもしれない。

 遠くに波の音が聞こえていた。

 青い空。青い海。
 嫌いな人なんて、あまりいないんじゃないかな。みんなに愛されて羨ましいなって思った。私も……出来れば愛されたい。

 この青い目だけで判断しないで欲しい。私は人間だから。みんなと同じ人間なんだから。

 同じ場所に立たせて欲しい。
 どうか、私に未来をください。誰かと一緒に手を繋いで笑う、そんな未来が欲しいです。

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