【短】あなたが優しく笑うから、心が激しく波打った。
「ありすー。あたしのことも構ってよ」
「あ、ごめん。無視してたわけじゃないの」
「わかってる。ただし、後で詳しく聞かせて」
ウィンクする彼女が可愛い。
こんなことってあるだろうか。クラスメイトと友達らしい話をして、そのきっかけをくれた至が目の前にいて。
本当に運命とか奇跡を信じたくなった。
「幸せ」
初めての友達。初めての好きな人。
初めての青春……。
私の青い瞳がうつし出したのは、楽しそうなクラスメイト。
私がいて、友達がいて、至がいる。
心が初めての感情を持った瞬間。私はみんなの愛を感じていた。特に、至の大きな愛を……。
まるであの日の空みたい。
海を抱きかかえるような空。そして私は……海だったらいいな。
あなたの愛に、心という波を動かす海でありたい。
私は至が、好きです――――。
END


