【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


早朝、四時過ぎ――。

こんな時間にキッチンに立ったことなんて今まで一度もない。


「あっち! もう、油跳ねすぎなんですけど!」


昨日寝る前に下処理しておいた鶏肉に衣をつけて、油で揚げている。

三日前、転んで怪我をして、市來先生に手当てをしてもらった。

そのお礼という形で、手作り弁当を持っていくという約束をしてしまった。

あの後、予定通りお弁当のレシピ本を数冊ゲットした。

あまり高度なメニューはやめておいて、お弁当の定番メニューと、見栄えがいいメニューで仕上げることにして、材料を買いにスーパーへ行った。

やっぱり外せない唐揚げと厚焼き玉子。

それに、彩り野菜の肉巻きや、蓮根と人参のキンピラ。

ご飯はおにぎりを詰めようと決めている。けど……。


「あっつ!」


一品作るのにもひと苦労。

狭いキッチンでわたわたしながら、初めてのお弁当作りに奮闘した。

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