剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
恋する天下無双男子

 その後大将が勝って、香取くんたちは優勝してしまった。

 表彰式までは神妙な面持ちの香取くんもそれが終わると柔らかな笑顔で、そして、今日もまた一本も落とさず優勝に貢献した彼は部員のみんなからもみくちゃにされていた。

 そんな姿を観客席から見下ろしていると心底ほっとする。


『俺の本気、見てて』

 その言葉を引き出したのが、

『香取くんこそもっと真剣に生きなさいよ!カッコ悪い!
 そんな香取くん…嫌いだよ!!』

私なんだと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 せめて香取くんが剣道を再開して、今幸せであってくれることが救いだった。

(それ以外に私に出来ることなんて、香取くんを想うことしかないんだもの…)


 やがて、香取くんたちがアリーナから引き上げていく。
 それを見て私は通路の階段を駆け上り、階下を目指した。

        *
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