剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
パン、パァーン!パン!
剣道場に近付くと何かが激しく弾き合うような音がしている。
「ね、ちょっと!何の試合なの!?私剣道なんて全然わかんない!」
「いいからいいから!」
知世が道場の戸を開けるとそこにはおびただしい数の靴が置かれていた。隙間を見つけて靴を脱ぎ板の間に上がる。
「たぁぁぁぁぁっ!!」
パァーン!
「胴あり!勝負あり!」
道着姿と制服姿のギャラリーが一斉にざわつく。
「次大将だってよ?」
「アイツここまで一本も落としてないんだろ?やべーよ!」
(アイツ…?)
どうやらその『アイツ』は、勝ち抜き戦で先鋒から副将の4人を負かしてしまった、ということらしい。
「知世、あれ誰なの?」
「しっ!」
知世が自分の唇に人差し指を当てる。
おそらく大将らしい人が試合場に出てきた。
二人が向かい合い礼をする。厳かな雰囲気。
一歩、二歩、三歩とするすると前に進むと、しゃがみこみ竹刀を合わせる。