Summer breeze~真夏の風に、恋焦がれ
 私はもう一度先生に視線を移す。



 鳶色の瞳。長い睫毛。

 どちらかと言えば華奢に見えるのに、私を抱き締めてくれる広い胸と頭を撫でてくれる大きな掌。



 夢見るように先生の姿を映していると、私に気付いた先生と眼が合った。



「!!」



「どうした?」



「…なんでもない」



 好きで好きで堪らないくらい好きだけど。

 この想いは…



「…秘密」



 小さな小さな声で私は呟く。



 だって私は夢も希望もなにもないただの女子高生で、先生はその先生。



 好きで好きで堪らないけど、先生にとってはこの想いはきっと余計なもので。
 ともすると迷惑なもので。

 だったらいっそのこと永遠に胸に鍵を掛けて秘密にしておく。

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