王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
……ふむ。
尊大とも取れるアイリーンの姿に、けれど俺の胸に浮かぶのは喜色。かつて知るアイリーンのビクビクとした怯えた様子よりも、余程に好ましく思えた。
「アイリーン、かつて其方はこうではなかった。いつも自信なさげに俯いていた其方の顔など、まともに見た事もなかった。今の其方は、別人のようだな」
そのアイリーンが、今は凛と顔を上げ、真正面から俺を見据える。あまつさえ、虫けらを見るかのような眼差しを向けてみせる。
「君をこうも変えたのはエミリーか?」
俺の問いに、アイリーンは僅かに目を見開き、次いで艶然と微笑んでみせた。
その変わり様に、今度は俺の方が目を瞠る事になった。