王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 俺が慰めを口にするより前、アイリーンはムクリと上体を起こすと、ジトリと俺を見据えて告げた。

「けれどフレデリック殿下、この一件は確実に殿下への向かい風になる事請け合いです。上に覆い被さって、絞殺でもされそうな目つきで自白を強要されたと、そう伝えさせていただきますのであしからず!」
「なっ!?」

 アイリーンは、目を丸くする俺を氷点下の眼差しで一瞥した。そうしてあろう事か、扇の裏でフンッと鼻で嗤った。

「それからフレデリック殿下、国家が一事業所の事業に対し、個別に苦言を申し立てる愚行に、私は片腹痛いですわ。国の施策に期待しておりますと、叔父上にお伝えくださいな? なにより、まどろっこしくフレデリック殿下に頼まずに、直接私に仰ってくださればいいものを。叔父上も相変わらず、意気地のないこと」



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