王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 アイリーンは女だからという理由で、絶対に奢られる事をしない。いや、それだけではない。

 女だからと優遇される事、逆に女だからと軽んじられる事、そのどちらもを受け入れない。

 それを徹底させる裏には、過去にどれほどの痛みがあったのか、想像に難くなかった。

「アイリーン、兄上はずっと後悔している」

 しかし俺は同時に、若気の至りでした安易な発言をずっと思い悩む兄の姿もまた、間近に見て知っていた。

 王太子である兄にはかつて、婚約者があった。その相手は、侯爵家令嬢で現職大臣の娘、いとこにもあたるアイリーンだった。

 ただしこの婚約は、諸事情により三年前に破談となっている。



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