王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「うん! それでミハル、馬は復路の相乗りに耐えられる? 私がこのまま、王都まで同行できるなら後ろに乗せて。無理そうなら、ミハルがひとまず今晩の分の薬を持って帰って? 私は明日の乗合馬車で行く」
私は早速、麻黄などの生薬を用意しながらミハルに訊ねた。
もちろん、一刻も早く駆け付けたい思いはある。けれど如何せん、その為の手段が限られる。
我が家にも、近隣の家々にも馬はいない。
村長のところでは二匹飼育しているが、それとて農耕馬で、移動用ではない。
過疎の進む貧しいニーディ村にあって、現在王都に向かう乗合馬車は、三日に一本。しかし幸運な事に、明日はちょうど馬車の運行日にあたっていた。
「大丈夫だ! 健脚自慢の馬で来てる!! 俺と相乗りで、一緒に王都に行ってくれ!」
「分かった」