王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
けれど心配は杞憂だったようで、ミハルは力強く断言した。とは言え、相乗りというのは馬にとっては負担だ。
私は王都滞在のための、着替えをはじめとした自分の荷物は、一切持たなかった。
その代わり、あらゆる状況に対応できるように、薬と調剤に必要な道具だけは潤沢に備えた。私が黙々と薬と道具を荷造りしていく様を、ミハルはジッと食い入るように見つめていた。
そうして準備が整うと、私は隣家に鶏の世話を頼み、ついにミハルと王都に向けて出発した。
私達が王都のミハルの屋敷に着いたのは、完全に日も沈みきってからだった。
私はご両親への挨拶もそこそこに、ミハルの先導で真っ先に妹さんの寝室に向かった。