王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
直射日光や高温を避けるのは、薬を保管する為の基本だ。
「! そうか、分かったよ! 悪いけどちょっとだけ、ここで待っててくれ!」
私の言葉を受けて、ミハルは一旦私を廊下に残したまま、慌てた様子で駆けて行った。そうして少しの間を置いて戻ってきたミハルは、おそらく当初用意していたのとは別の部屋に私を案内してくれた。
私は通された部屋で早速、発作が起こった時の服用薬と、喘息に密接に関係する水分代謝を促す常服薬、両方の調薬を始めた。
「ミハル、これをすり潰してもらえる?」
「分かった」
ミハルは真剣そのものの様子ですり鉢を受け取ると、丁寧に作業を始めた。