王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
……薬代、か。天然由来の生薬を集め、それを調薬するのも全て手作業。そうなると、薬がそれなりに高額になるのは、どうしたって避けられない。
「ちなみに薬代に、毎月どのくらいかかってるの?」
「薬代は平均すると十五万エンネくらいか。その他にも、往診手当てや夜間手当とかを上乗せされるから、薬屋への支払いで二十万エンネは毎月悠に越えてる」
さり気なくした質問に、とんでもない答えがサラリと返ってきた事に驚く。
……いやいや。その金額は、明らかなぼったくりじゃ……?
「その薬って、見せてもらってもいい?」
「ああ、もちろん」
ミハルは一旦席を立つと、粗い粉末状の薬が入った透明なガラス瓶を持って戻った。
「これが常備薬で、一番高額でもあるな」