王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「今回の件で其方が直接的な罪に問われる事はない。けれどもし、其方に僅かにでも後悔や自責の念があるならば、二度とこのような兵器製造に携わってはいけない。しいてはそれが、其方自身の為にもなるだろう」
男性はまるで自身を落ち着かせようとでもするように、小さく一息吐くとこんなふうに続けた。
誠実さの滲む、真摯な目だった。
透き通る男性の水色の双眸から、目が逸らせなかった。その瞳はまるで、男性の公正明大な内面を写し取ったかのような、水晶よりも澄んだ水色……。
「……その方の目や皮膚の痛みも、盲目も、一時的なものです。そして貴方の言うところの兵器は、後遺症を残しません」
私の発案した痴漢撃退スプレーの主成分はトウガラシパウダーだ。カプサイシンが目への後遺症を残さない事は調査発表されている。ただし、過剰な噴出を受ければもちろん、呼吸困難等による突然死もありうる。