王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 そうして今回の薬屋摘発の証拠固めにおいて、俺はまさに、ミハルを内偵のリーダーに起用しようと考えていた。

「ミハル、実は今しがた発覚したばかりなのだが、その薬屋には不正献金の疑いがある。これから人員を定め、調査を開始する予定だ。その薬屋に関して知っている事があれば、聞かせてもらいたい」

 一応水を向けてはみたが、ミハルは疑惑を持ちつつも薬の効果に一縷の望みを託し、大金を支払い続けていたのだ。
 そのミハルが、薬屋の核心に迫る情報を持っているとは思い難かった。

「団長、不正献金というのは分かりません。ただ、薬の販売に関してはぼったくりだそうです」

 ミハルの答えに疑問が過ぎる。

「ミハル、其方は薬効を信じ、高額な薬代を捻出していたのではなかったのか? それに、ぼったくりだそう、というのはなんだ? それを指摘する者でもあったのか?」



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