王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~



 けれど俺が問い質すよりも前、どこか吹っ切れたような顔をしたミハルが、しっかりと前を見据えて口にした。

 なるほど、薬の成分を言い当てたのはエミリーだったか。ミハルは前回の訪問でエミリーの存在を知り、仲間内から薬師としての評判をききつけて、頼ったとみえる。

「そうか、エミリーに診断をあおいだか。それで? エミリーはいまだ其方の屋敷に滞在しているのか?」

 エミリーがいまだ王都にあるのなら、会いに行かない選択肢などない。

 なにより、ミハルの妹を診るからといって、何もエミリーがミハルの屋敷に留まらねばならない理由はない。

 俺の屋敷から、必要に応じて通ったっていいだろう! いや、むしろ俺の屋敷の方が不足なく整えてやれよう!!



< 176 / 284 >

この作品をシェア

pagetop