王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「あ、俺の屋敷に部屋を用意してますけど、今日は出掛けるって言っていたからいないかもしれません」
……出掛ける?
何故か俺の胸に、言いようのない不安が広がる。
「エミリーは、どこに出掛けている?」
当然エミリーとて、自由に出歩くくらいはするだろう。なのに理屈とは別に、どこか噛み合わない違和感のようなものが湧き上がる。
徹夜で調薬を終えたその翌日に、敢えて外出をおす、その理由……。
「さぁ、エミリーは少し出掛けてくるって、それだけです。あ、でも……」
ここでミハルが、不自然に言い淀む。
「でも、なんだ?」