王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 金狼殿下とは、我がサントマルク王国の第二王子であり、その御名は、

「フレデリック・サントマルク」
 
「娘! フレデリック様を呼び捨てるとは何事か、そこに居直れ!」

 口にした瞬間、えらっそうな青二才にギンッと鋭く睨みを利かされて、反射的にビクンと肩を揺らした。だけどそれも一瞬の事で、次いで胸の内ではイライラ、ムカムカとした反骨心が膨らむ。

 ……居直れ、だぁ??
 私は物凄く、怒っていた。

「オイ、青二才。あんた、踏んでるから」
「あ?」

 地を這うよりも低い私の声に、今度は青二才がビクンと肩を震わせて、阿呆面を晒した。
 青二才は軍の威光を笠に着て図体と態度ばっかりデカくって、その内実がまるっきり伴っていない。




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