王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「足」
「アシ?」

 私はズンッと大きく一歩を踏み出すと、青二才の筋肉隆々で逞しい太腿を容赦なくひっぱたいた。

「アデッ!」

 反射的に青二才は、一歩後ろにたたらを踏んだ。

 その隙に、私は男が足蹴にしていた乾燥中のゲーリピタン草を回収する。
 そうすれば、不幸にも既に粗方乾ききっていたゲーリピタン草は、パラパラとその葉を散らした。

「……なんだよ、ただの草じゃねーか」

 あろうことか謝罪もせず、悪態を吐いた青二才をジトリと見上げる。

「ええ、ただの草ですが、市場では五万エンネの価値のある草です。貴方が駄目にしたんですから弁済、してくださいね?」

「五万エンネだと!? な、なんだって俺がそんな大金っ」





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