王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「しっかし、テレワークなんて本当に普及するんですかね~? 先生も私も、言うなれば客商売。だけどそういう商売、私達だけじゃないですよ。自宅にいながら出来る仕事って、実は少ないと思うんですよね?」
最初にそれを聞いた時、俺は耳を疑った。
「エミリー? テレワークとは、一体何の事を言っている?」
「え!? やだやだ先生! テレワークを知らないって、どんだけ漢方にしか興味ないんですか!」
俺に対し、常のエミリーはどこか警戒した様子で、決して多くを語らない。
「いや、エミリー? 俺は先生ではないぞ、フレデ」
「もう先生! たまにはニュースも見て下さいよ~。テレワークって言うのは、――」
そのエミリーが、俺の言葉を遮って、饒舌に語るのだ。そう、それはまさに一方的に語るというのがピッタリで、会話は成立していないという事に途中で気付いた。