王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
ミハルの消沈っぷりを目にすれば、チクチクと良心が痛んだ。吹っ掛けたつもりはないが、五万エンネというのは王都での末端価格だ。
気の毒に思った私は、ニーディー村価格に負けてやろうかどうしようかと、一人考えを巡らせていた。
「それはそうとフレデリック様、兵器製造の疑惑のかかる家屋に一人先陣切って乗り込むなど無謀でございます! どうして我らの到着を待って下さらなかったのですか!」
一通りの情報共有を済ませた副師団長が、フレデリック様の単独行動に苦言を寄せた。
「なに、俺は決して無謀をしたつもりはない。この聴取ならば一人で事足りると判断した」
フレデリック様はヒョイっと肩を竦めると、副師団長から私に視線を向けた。
「たとえば今、エミリーがスカートの中に忍ばせた物を振り上げて襲い掛かって来たとしても、俺には取り押さえる事など造作もない」
なっ!
どうしてフレデリック様が、私のスカートの中の事情を知っている!?