王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~



「それくらいの実力は備えている」

 目を丸くする私に、フレデリック様はニンマリと笑みを深めた。

 鈍器を見破られたのは、初めての事だった。なるほど、師団長の名前というのは伊達じゃない。

 もろもろ、
「……恐れ入りました」

「はははははっ!」

 !!
 私の敗北宣言に、フレデリック様は高らかな笑い声を上げた。弾けるようなその笑顔に、胸がドキリとした。

「全く、フレデリック様には敵いませんなぁ」

 副師団長も何事か言っていたけれど、私の耳を素通りした。この一瞬、私の意識はフレデリック様だけに向いていた。



< 23 / 284 >

この作品をシェア

pagetop