王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「それくらいの実力は備えている」
目を丸くする私に、フレデリック様はニンマリと笑みを深めた。
鈍器を見破られたのは、初めての事だった。なるほど、師団長の名前というのは伊達じゃない。
もろもろ、
「……恐れ入りました」
「はははははっ!」
!!
私の敗北宣言に、フレデリック様は高らかな笑い声を上げた。弾けるようなその笑顔に、胸がドキリとした。
「全く、フレデリック様には敵いませんなぁ」
副師団長も何事か言っていたけれど、私の耳を素通りした。この一瞬、私の意識はフレデリック様だけに向いていた。