王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
口元に差し出されたままの手が、スッと引かれる。目線は自ずと、動く手を追う。
するとまさか、フレデリック様はその指先を唇に寄せた。そうして私が舐めしゃぶった親指と人差し指を、朱色の舌先で舐め上げる。
目にしたあまりに淫靡な行為、そして倒錯的な光景に眩暈がした。
その間もずっと、フレデリック様は私から視線を逸らさなかった。
「……なるほど。蕩けるように甘い」
「!!」
蕩けるような笑みで、フレデリック様が告げる。
注がれる熱い眼差しが、私の体温を上げる。告げられた台詞には文字通りの意味だけでなく、どこか性愛の意図が滲むような気がした。胸がバクバクと、煩いくらいに鳴っていた。