王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
覗く白い歯も、陽光を受けて輝く金髪も、酷く目に眩しい。
すると突然、フレデリック様がスッと表情を引き締めた。
「……何事だ?」
……うん? 私には、一体何の事だか分からなかった。
けれど一拍遅れ、騒めきが耳を打つ。怪訝に思い騒めく玄関に視線をやれば、我が家に新たな訪問者が転がり込んだ。
「師団長、失礼いたします! 報告で参りました!」
軍服に身を包んだ新たな来訪者は人垣を割り、フレデリック様の前で膝を突くと声を張った。
「何事だ?」
どうやら男は、副師団長が率いた一行とは別に、報告を携えてやってきた伝令係の兵士らしかった。