王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「ハッ! 拘留中の男の症状が、回復いたしました!!」
フレデリック様の詰問に、片膝を突いた兵士は紅潮した頬をして、ひと息で言い切った。
「なんと!」
兵士の報告に、副師団長以下、室内にひしめく兵士らが騒めく。
「……そうか」
フレデリック様も一瞬だけ目を見開いたけれど、すぐに小さな吐息と共に頷いた。
「回復は、俺が出て間もなくか?」
「ハッ! 師団長が軍施設を出て間もなく、まず盲目に改善の兆しが現れました。ただしほんの僅かな変化で、所属医師らが注意深く状況を見守っておりました。師団長の後を追い、副師団長一行が軍施設を出た後で、明確な改善兆候が認められました。その後、盲目、皮膚症状共に回復いたしました!」