王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~



 騒めく周囲を余所に、フレデリック様は一人、静かに報告に耳を傾けていた。この様子を見るに、私の言葉を百パーセント鵜呑みにするまではいかずとも、その大部分を信じてくれてたようだった。

「そうか、よく報せてくれた。ご苦労だった」

「ハッ!」

 伝令係は深く頭を垂れて、フレデリック様の御前を退いた。

「……ははっ、はははははっ! エミリー、其方の言を疑っていた訳ではない。だが、ここまで見事にやりこめられてしまっては、サントマルク王国軍第三師団団長としては立つ瀬がないな。いやはや、此度の一件は俺含め、軍の勇み足、まさに独り相撲であったようだ」



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