王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「これだけの威力を持ちながら、後遺症を残さぬと言うのは、非致死性の武器装具として数多の可能性を秘めている。もちろん、秘密保持は厳守する。我が第三師団の科学研究員にのみ伝達し、外部への口外は一切しない」
それはサントマルク王国軍第三師団団長の立場であれば、当然の発言だった。
そうして、善良な小市民としては、従う事に否やはない。そう、否やなどないのだが……
「……情報というのはタダではありません」
「なっ!?」
「娘! 軍から金を取るつもりか!?」
私の言葉に、狭い我が家にひしめく第三師団の面々が色めき立った。いきり立った青二才などは、今にも掴みかかってきそうな勢いだ。