王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「待て」
どよめく場を制したのはフレデリック様だった。
フレデリック様の一言で、場は水を打ったような静寂に包まれた。
「エミリー、其方は情報の対価に何を望む?」
……流石、フレデリック様は分かってる。
「聴取中のアイリーンの早期解放を。それから、アイリーンへの報復が心配です。アイリーン周辺の、巡回警備の徹底をお願いします」
私の答えを聞いても、フレデリック様は別段驚いた様子を見せなかった。
「金銭は?」
「いりません」
気付いた時には、即答していた。