王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
フレデリック様の屋敷を出れば、当然、今のように毎日顔を合わせる事はなくなる。けれど住まう場所を異にしても、フレデリック様は一層の存在感でもって私の心に居つくだろう、そんな予感がした。
「エミリー、とびきりのデートを考えておく! 楽しみにしていてくれ!」
「それは楽しみです」
デートの約束と、とびきり晴れやかな笑みを残し、今度こそフレデリック様は客間を後にした。
けれど晴れやかなのは、私も同じだった。かつてないくらい胸が満たされて、心がぽかぽかと温かい。
こんなにも温かで優しい思いになれるのは、フレデリック様の愛に触れたから……。フレデリック様の愛が、私を清らかで優しい、新しい私へと塗り替える。
愛しいフレデリック様の残像に微笑んで、そっと瞼を閉じた。
再びの眠りに、夢は訪れなかった。
ただ、温かで幸福な微睡みが、私を優しく包み込んだ――。


