王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「これは蜂の子です。滋養強壮に優れ、この地域では良質なたんぱく源となっています。それに蜂の子に耳鳴りの改善効果がある事は古くから言われていて、治療にも使います。……養蜂は、この村で唯一の産業と言えます。ただし、それだって元手の掛かる事で、成功させているのはほんの数軒なんですけど。とにかくこの村の子供達には、この蜂の子はご馳走です」
私には、エミリーとしてこの貧しい村で二十年間生きた記憶と、飽食で物に溢れた日本で三十年を生きた英美里の記憶がある。
だから、蜂の子がご馳走のエミリーの感覚も、昆虫食なんて絶対に出来ないと尻尾を撒いて逃げたであろう英美里の感覚も、どちらも分かる。
そうして王子様の感覚は、英美里のそれに近いと踏んだ。流石に屈強なフレデリック様が絶叫して逃げ出していたら、それはそれで驚いていたが……。