クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
彼女は"しまった"という顔で慌てて口に手を当てる。
そう言えば、インフルエンザ騒ぎでちゃんと謝ってなかった。
「あの時はごめん。教職者としては失格だな」
綾香の目を真っ直ぐに見て自分の非を認めると、彼女は驚いた顔をして数秒沈黙する。
だが、突然カーペットの上に座り込んだ。
「綾香?」
何事かと思えば、彼女は俺に土下座して謝罪する。
「私の方こそ……ケホッ……いろいろ酷いことを言って……すみませ……でし……!?」
最後の方は声がかすれて見てられず、両手を差し出して綾香を俺の膝の上に乗せた。
「俺にずっと看病させるつもりか」と溜め息交じりに注意する。
「先生?」
「謝らなくていい。ファーストキスだったら、悪かったな」
俺なりにかなり気を使ったつもりだったが、彼女は膨れっ面で言い返した。
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