恋人未満のこじらせ愛
「ほら、飲め」と、大村先輩は冷蔵庫からチューハイを差し出す。
私は無言で缶を空けて、グビグビと音を立てて飲む。
あまり酒は飲まなかったけれど、今日は飲みたかった。

「いる?コンビニの廃棄物」

更に冷蔵庫を開けてケーキを取り出す。
クリスマス仕様のショートケーキ。二個入りの。

私がコクりと頷くと、大村先輩は少し微笑んだ。


そのまま二人でケーキを食べて、酒も沢山飲んだ。
お酒が入ったこともあり、最初は口数が少なかったけれど会話が広がっていき、気付けば笑い合っていた。


聖なるイヴの日に、恋人以外と過ごす時間。
本当であれば気が乗らないだろう。


だけど──不思議と『この人と過ごせて良かった』と、心からそう思うようになっていた。


しばらく会話を楽しんだ後、大村先輩はこう言った。


「お前はこれからどうしたい?」


『どうしたい?』

毛塚先輩との今後。

『別れる』という以外は、私の選択肢に浮かばなかった。


でもただ一つ、思い浮かんだこと。
どうしようもなく、頭に浮かんだこと。


「ただ別れるだけなのは悔しい。
だから……復讐がしたい」と。
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